最近の私の心配事はこの不動産を含めた金融バブルがいつ崩壊するかである。
バブルは弾けてみないとそれがバブルだったと気付かないと言われているが、身近なところでは、今の投資用不動産への過熱感は、利回り欲しさに資金が殺到していることが解る。それは、いつか来た道だと思わざるを得ない。
アメリカのFed(連邦準備制度)、EU圏のECB(欧州中央銀行)、日本の日銀の主要中央銀行は、競い合うように金融緩和を繰り返してきた。それは、金融機関や大手企業、大富豪などには都合の良いものであったのだろうが、米国も、EUも、日本も、ここまでやっても実体経済への刺激には全く役立っていないことが、色々な指標からはっきりしてきた。
特にひどいのが、マイナス金利先行のドラギ総裁率いるECBと、異次元緩和とかバズーガー砲とかの黒田日銀であるが、国民の預金金利まで奪ってしまった気の狂ったとしか言いようがない施策は、もう負け戦と解っているので、これ以上傷口を大きくすることはやめてほしいものだ。
そして、ここまで日銀が日本国債と日本株を買いあさり、株価と国債の市場操作を行い、日銀が今や大手企業の筆頭株主になってしまったこの状況は、はたして健全な株式・国債市場と言えるのか? また健全な経済状況と言えるのだろうか?
日本は、いつから株式市場が国有化されてしまったのだろうか?
通貨の番人であるはずの国家中央銀行たるものが、タコが自分の足を喰うように、その手で健全な市場と経済を歪め、行き詰まり、結局行きつくところは国民にそのツケを擦り付ける。国民はまた騙されるのだ。
今後、世界の何処かで何らかの金融上の問題が発生し、日銀が日本国債も株式も買えなくなった時、あるいは、買い支えられなくなった時、その瞬間、この市場は大パニックを起こすこと間違いないだろう。それは、近いのだ・・・
実は今、ドイツ最大の総合銀行のドイチェバンク(ドイツ銀行)が破たんの淵にいる。
ご興味のある方は、ドイツ銀行の株価の落ち込みを確認して頂きたい。
日本のメディアでは殆んど放送されていないのが悲しいが、その中身を見ると驚く。
金融の大量殺りく兵器と呼ばれるデリバティブの想定元本がドイチェバンクだけでなんと!60兆ドル、日本円にして6000兆円を抱えているのである。驚愕の一言である。
この想定元本のたった1%の60兆円! いやいや、たった0.1%の6兆円の支払いを迫られるだけでも、アウト間違いないのだ。
2008〜2009年の国際金融危機で破綻した大手投資銀行のリーマンブラザーズは、アメリカ連邦政府からも見捨てられたが、果てしなく巨額のデリバティブを抱えていたことが真相らしい。
9月中ば、アメリカの司法省が不動産担保証券がらみの不正に対し、ドイチェバンクに1兆4000億円もの制裁金を課すと発表した。それだけでもドイチェバンクの支払い能力を超えるが、なぜ、死の淵にいるものを、追い打ちを掛けて落とそうとしているのだろうか?
そして、ドイツのメルケル首相は、国家は関与しない。公的資金で救済するつもりは無いと談話。
ドイツ最大手銀行のドイチェバンクが、もし破綻すれば、すでにリーマンショック以上と言われているが、世界中の金融機関のパニックと衝撃は、想像を絶する。
同時に、バブルに浮かれた今の日本にも連鎖し、大きな転換を迫られるだろう。
そして、それは、淘汰の時代に入ることと、護送船団に乗り安心していたアベノミクス信者には長い苦難の日々が始まることを告げるだろう。